平成18年修了:田向 権 (Hakaru Tamukoh)

 九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻

住所

 〒808-0196 福岡県北九州市若松区ひびきの2−4

役職

 准教授

個人紹介HP

  九州工業大学大学院生命体工学研究科 脳情報専攻 田向研究室


研究内容

主な研究分野は以下のとおりです.
  • Field Programmable Gate Array (FPGA)を用いたシステム設計
  • FPGAを用いた仮想回路とWEBアプリの融合
  • ソフトコンピューティング
  • 動画像処理(圧縮・伸張,拡大・超解像度化,物体認識等)
  • 自律移動ロボット
 教育面では,独自のコンセプトを持ったシステム作り,ハード・ソフトが密に連携する システム作りが出来る人材輩出を目指しています.山川先生にご指導いただいた 「コンセプトの形成からデバイスの試作とその応用まで」という理念を受け継ぎ, 次世代の教育へと生かしていく所存です.

メッセージ

 山川研究室には,博士前期課程から博士研究員までの6年半在籍しました.
 マスター1年のときには,もう何年も使われていないという飯塚のファジィシステム研究所にある クリーンルームにて,先生のご記憶と,機器の説明書を片手に手順を組み上げ,夜通しプロセスをご指導いただきました. カッティングシートを使って半導体のパターンを切り出すところから計測まで,一通りのプロセスを学ぶことができました. 全く知らないことだらけのところからチップを完成させるところまでやり遂げた成功経験は, 非常に大きな自信の源になったことを今でもよく覚えています.
 マスター2年になり,ドクター進学について相談すると,進学後の研究の進め方や経済的なことなど, 色々と親身になって考えていただきました.私は高専卒業時から博士課程に進学し博士号を目指すことを決めておりましたので, 進学に対しての迷いは最初から無かったのですが,それでも漠然とした不安がありました. しかしながら,山川先生の心強い後押しによって,改めて決意が固まったことをよく覚えております.
 ドクター1年の時には,山川先生の勧めで同級生らと共に株式会社ブラテックを起業しました. 研究活動の傍ら,色んな仕事をこなす必要があるので,殆ど寝る時間も無い3年間を過ごすことになりましたが, ここでの社会経験から幅広い価値観や視点をもつことができ,非常に有用であったと思います.
 ドクター2年の時には,山川先生と共に,色んな学会へ参加させていただきました. 特に,スペインで開催されたWorld Automation Congress 2006,ニュージーランドで開催されたKEDRI会議への 参加は今でも良い思い出です.WAC2006のバンケットでは,VIP席に座りSpecial Awardを受賞された先生が改めて偉大に見えたものです. KEDRIでは,一緒に行った中華料理屋で出てきた巨大なエビ料理が今でも忘れられません.
 ドクター3年の時には,すでに21世紀COEプロジェクトが立ち上がっており,これまで以上にお忙しくなられていたように 思います.その合間を縫って予備審査会や博士論文,公聴会に関する細かいご指導を頂きました.
 このような山川先生の力強いご指導により,私は運よく3年で博士号を授与していただくことができました. 今思い返すと,夜中まで教官室に残って仕事をこなしてらっしゃるところにアポ無しで押しかけたり, 締め切り前日に,投稿する論文を見てくださいと言いに行ったりと,忙しい先生を更に酷使する様なことを 何度も行ったように思います.
 しかしながら,私の無茶な要求が断られたことは一度も無かったと記憶しております.本当にありがたいことです.
 以上のように,山川先生には研究へのご指導は勿論のこと,物の考え方や,研究者としての生き方について 様々な事をお教えいただきました.先生の生き様を間近で見ること.これが一番の勉強になったと思っております. 山川研での6年半は,私のかけがえの無い宝物です.山川先生から受け継いだ哲学をこれからの教育研究へと役立てて行こうと 思っております.
 ご覧になられた方へ.
 個人的な思い出話が中心になってしまい申し訳ありませんが,お付き合いいただきありがとうございます.